ゲームの周回要素について思うこと「ノーラと刻の工房」のレビューに変えて

(注意)今回の記事は、「ノーラと刻の工房」のちょいネタバレが入っています。
と言っても、二周目引継ぎ要素のみですが。

●引継ぎが物足りない?
ノーラと刻の工房の感想を探していたとき、結構見かけた批判意見がありまして。
それは、「二周目の引継ぎが物足りない」との感想。
いや、基本的に褒めている感想がばかりなのですが、その部分に関しては素材管理の煩わしさと併せて、マイナス点として挙げている方が非常に多い。
うぬぬ、そうなんですか皆さん。

ちなみに、「ノーラ」は周回プレイを意識した設計で、クリアするだけならそんなに時間は掛かりません。
ただ、すべてのイベントを一回で見るのは不可能で、当然周回プレイが前提となっているわけです。
その二周目以降の引継ぎなんですが、基本的にお金とペットしか引き継げない仕様になっています。彼らにすれば、もっと引継ぎが欲しかったとの事。
確かに気持ちはわかりますが、個人的に納得しかねるんですよね、そういう意見は。
だって、昔のゲームは引継ぎなんて無かったんですから。いや、懐古主義と呼ばれたらそれまでですが。

●豪華になった引継ぎ要素
例えば、周回プレイを前提としたマルチストーリーである「ロマンシングサガ」や「タクティクスオウガ」ですら、引継ぎ要素が無かった訳です。
でも、当時はそれが当たり前で、引継ぎなしでも2周目もプレイしていたんですね。(ちなみに、私が一番周回プレイをしたのはファイアーエムブレムだったりします。余談ですが)

いつからか、いわゆる「強くてニューゲーム」がオマケとしてついてくるようになりまして、それが発展して引継ぎ要素が豪華になっていったんですね。
で、強いだけだとやっぱりだれるので、二周目以降は全く違うストーリーが解禁されるとか(ペルソナなど)、二周目でないと使えないアイテムが登場したりとか(バイオハザードなど)、更には二周目限定の強敵なんかを用意するようになったわけです。
ただ、そうなってくると、祖語が生じてくるんですよね。
一周目はギリギリの所で戦っていたのが面白かったのに、二周目は最初から強いにも関わらず攻略法も身についているので作業になりやすく、ぬるま湯プレイになりがちです。でも、その作業を超えないと、二周目限定の要素が楽しめないという。
ちょっと、わがままですけどね。

●引継ぎなしでも周回プレイをしていたあの頃
さっきも書きましたが、クリアした時点でプレイヤーの腕も上がっているわけです。
しかしながら、二周目にはご褒美が溢れてその腕を試すことなく、ゴリ押しで進めて行けてしまう。腕も何もあったもんじゃない。
まあ、ストーリーを追うのであればそれで良いですが、ゲームの駆け引きを楽しみたい時には却って阻害されてしまう原因になってします。
そんなの、全然「ご褒美」じゃないです。
昔はまっさらな周回プレイが当たり前だったので、そのまま二周目に突入していたわけですが、それでも楽しめました。
理由は、同じ条件だからこそ「上達している」という実感を感じれるからですね。いわゆる達成感。
おのずとクリア時間も短縮されますので、意外とストレスに感じることは無く、人によっては縛りプレイに走る事もありました。
それでも、楽しかったんですよね。引継ぎが無くても。

●引継ぎ要素で困ること
まあ、どんな引継ぎ要素があっても、使わなければいいんですが、そうとも言ってられない事例もありまして。
それは、引継ぎとレコードが一体化している場合。
これは「デビルサバイバー」なんですが、複数のルートをクリアするたびにタイトル画面に変化が生じるというギミックが施されていたんです。で、同時にかなり大きな引継ぎ要素がありまして、レベルやお金など、ほとんど全ての要素を引き継げてしまうという。
しかも、セーブデータが一つしかないので、強くてニューゲームを受け入れるか、クリアした証を消してしまうか。究極の選択を迫られたわけです。その上、二周目限定の隠しボスも有るという。
正直、この仕様にはどうしようかと困りました。絶妙なゲームバランスを気に入っていただけに、です。

●結論
で、最初の話題にもどるわけですが、個人的に今回のノーラの胸のように「貧弱な」引継ぎ要素でも必要ないと思っているんですよね。
そんな考えを持つ私からすれば、少しだけプレイが楽になる要素なので、引き継げるだけラッキーなんじゃないかと思う訳です。
まあ、ただの懐古ゲーマーが何を言っているんだという感じでしょうが、本来オマケである引継ぎ要素についての批判に違和感を感じたわけで、こんな考え方もあるんだと思っていただければなと。
ちなみに、引継ぎ要素そのものについては否定しません。
やっぱり嬉しいですしね。ただ、上手くやってほしいと思うだけで。

そんな訳で今回の結論。ノーラちゃんは全然悪くない!